2007年 10月 15日
マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」を観て |
先日、マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」を相棒と観に行きました。
「シッコ」とは英語で「ビョーキ」という意味だそうです。つまり、オカシイということですね。
何がオカシイか。
すなわち、米の国アメリカには日本、あるいは欧州諸国にあるような国民皆保険制度がありません。
米国民は、すべて、自らの判断によって民間の医療保険に加入するそうです。
そのことによって、どういうことが起きているのか。
すさまじく悲惨な事実の描写に驚かされます。
これまで日本がお手本としてきた、あるいはさせられた米国がこんなひどい医療制度しか持ち得なかった現実が。
ある老女は、入院していた病院から早朝、タクシーで捨てられます。
ある黒人男性は医療保険に加入していたにも拘わらず、生き延びるために必要な手術が保険会社の判断により受けられず、死んでしまう。
仕事で2本の指を切断してしまった男性は、保険会社からそれぞれの指の手術料負担金を告げられ、結婚指輪をしている薬指だけの手術を受けます。
一方、欧州諸国、たとえばフランスやイギリスでは、医療費は原則として無料です。
マイケル・ムーア監督は、英仏の病院に会計係りがいないのに驚かされます。支払いの必要がないからです。
例えば、スウェーデンでは、医療費・教育費ともに負担ゼロです。すなわち大学に行くのにも、費用はかかりません。誰でも、どんな貧乏人でも大学教育を受けることができるわけです。
日本はどうでしょうか。
私が大学に行っていた頃の授業料は、たまたま国立大学でしたが、年間3万6千円でした。それが、今では、60万円近くにも上がっています。
入学金も別に30万円弱、徴収されます。
医療費はどうか。
ドライアイと眼精疲労ということで眼科医に月1回かよっている私は、毎月4千円近く支払いをしています。
日本という国は、教育を、そして医療をどう考えているのだろうか、と思わずにはいられません。
マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」のラストシーンは興味深いものです。
米国が忌み嫌うキューバに医療を求めた9・11の被災者は、キューバで手厚い医療を無料で受けることになります。
それは、自分の住んでいる米国ではあまりにも高額で負担できないものだったのです。
なんと言う皮肉でしょうか。
私たちがあれほど崇拝していたアメリカ(正式にはアメリカ合州国)という国がこんなひどい制度を持っていた国だったということをあらためて知らしめてくれたマイケル・ムーア監督に拍手。
そして、常に米国を見習っていこうとする、あるいは米国の言いなりになることしか頭にない日本の主流的な勢力に感無量の念を禁じえません(笑)。
by mititosi49
| 2007-10-15 00:28
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