2010年 02月 07日
冬ざれに山田映画の温もりよ |
山田洋次監督がいつも大切にしてきたテーマである家族を描いたものだ。
それも、ただ血で結ばれた家族ではなく、他人との関係で作られてゆく家族を含めて。
山田監督の人間に対する温かい視点が随所に散りばめられた映画である。
音楽は富田勳。トランペットの音色がゆったりした情景に太く柔らかに響いてくる。
人が人を想う気持ちの愛しさ。悲しみと喜びが入り混じった人生を生きていかなければならない人という生き物。絶望的な場面から希望への場面へと物語は進んでゆく。
前作「母べえ」では、戦中の家族の暮らしを描くことによって、知らず知らずのうちに戦争に対する静かな怒りを表現したものになっていたが、今回の「おとうと」では、社会批判を織り交ぜながらも、人間と人間の信頼に焦点を絞った作品のように思えた。
「希望はある」と山田洋次監督は言っているようだ。
それにしても、娘の結婚式の前夜、家族みんなで赤ワインで乾杯するのってのはお洒落だなあ。亡夫の遺影にも赤ワインを供えていた。
私も、娘の結婚式の前夜には、家族みんなで赤ワインで乾杯することとしよう(笑)。
by mititosi49
| 2010-02-07 21:20
| 植物
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